リドリースコット監督作品ですがエイリアンも人造人間も出てこない、アメリカン・ニューシネマの雰囲気バリバリのロードムービーです。
【あらすじ】
家庭を顧みず自分を妻として扱ってくれない夫にうんざりしていたテルマは親友のルイーズと共に数日間のバカンスに出かける。
二人が道中立ち寄ったバーでテルマは言い寄ってきた男に強姦されそうになる。
テルマを救うためにルイーズは銃を発砲し、男を殺害してしまう。
警察に出頭すべきだと言うテルマの意見を無視し、ルイーズはメキシコに向けて車を走らせる。
数日間のバカンスは希望の見えない逃避行へと変わっていく。
【感想】
荒野の一本道をオープンカーで走って、ガソリンスタンドで強盗して、モーテルに泊まって…というお約束の中でルイーズの過去が明らかになり、二人の関係も微妙に変化していきます。
二人が旅を通して自分の人生を見つめなおし、行動によって変えていく様に惹き込まれます。
気晴らしのバカンスで束の間の楽しみを味わってまた元のつまらない人生に戻っていくはずだった二人が、自分の人生を永遠に変える道を選ぶわけです。
出頭すれば情状を酌量され、元の安全な生活に戻れるのに、自分の人生を勝ち取るために逃亡を続ける二人の強さに心を打たれました。
劇中二人が道路を飛ばして歓声を上げるシーンがいくつかありますが、それを見ると、どれほど絶望的な状況でも自分が望んだ道を進んでいるときには人生最高の瞬間を実感できることがあるのかもしれないなぁと思いました。
普通に平凡な人生を送っていたらああいう瞬間には巡り合えないだろうな~
個人的にはこの映画のラストシーンは最も美しいハッピーエンドの一つだと思います。
リドリー・スコットたまーにほっこり系撮ってるのがウケルよね。