ファニーゲーム

超絶胸糞だけどただの胸糞サイコスリラーじゃない!キャストの熱演とトリッキーな演出が光る不快な快作。

【あらすじ】
「明日の朝まで君たちが生きていられるか賭けをしないか?」
夏のバカンスのため別荘に来ていた一家を、卵を分けてほしいと2人の青年が訪ねて来る。
2人は一家を縛り付け、悪びれた態度を微塵も見せず家を占領する。
そして2人は一家に「賭け」に参加するよう求める。
生死を賭けたおぞましいゲームの幕が上がる。

【感想】
暴力描写をあえて写さず、目撃者の表情や周辺環境を写すことで表現しています。
直接の描写がない代わりに観客の想像力を掻き立てるので観ていて精神的に来ます。

長回しも使ってるけどカメラ固定のロングショットでほとんど動きがありません。
動かない長回しは最近流行りの動き回る長回しに慣れた目で見るとなかなか新鮮。
余計なアクションやせわしないカット割りが無いぶん、一家が陥った状況の恐ろしさや異常さが俯瞰で見たときのようにじわじわと伝わってきて息が詰まりそうになります。

キャストも良い仕事してます。
一家を陥れる青年2人はいたずらをして喜ぶ子供のような無邪気さ。
わざとらしい脅威を感じさせないことで絶望感を増幅させてると思います。
一家の方も壮絶ですごい。
家庭の幸せを踏みにじるような展開の映画ですが、俳優の演技が極限状態での愛を感じさせるほど真に迫っているので思わずウルッときてしまいました。
それだけに終盤はいっそ清々しい気持ちで見てました笑
思わず巻き戻して見返したくなります。

とにかく胸糞悪くなりますが、演出や演技が素晴らしくて見入ってしまいます。
壁を破る意味とかラスト10分の意味とかを考えようと思ったら何度も巻き戻して観る必要がありそうです。

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