ジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロの最恐おじさんコンビニが復活!
メキシコの麻薬カルテルとの戦いを描いたアクションサスペンスの続編。
続編とは言っても前作との繋がりはあまりありませんが。
【あらすじ】
アメリカで、メキシコを経由して不法入国したと思われる人物が、15人の死者を出す自爆テロを起こす。アメリカ政府はさらなる犯行を防ぐため、CIAの特別捜査官のマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)に、国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルをかく乱させるよう命じる。グレイヴァーは、暗殺者のアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)と共に麻薬王の娘をさらい、カルテル同士の抗争を引き起こそうとする。
前作が良かったので期待してたんですけど、「1作目のヒットを受けて作られた1作目には劣る続編」というよくあるパターンの映画でした。
前作の登場人物や設定は引き継ぎながらもなんだか違う映画に仕上がってます。
まず映画全体の作りが違います。
前作ではエミリー・ブラント演じる主人公の目線を通してマットとアレハンドロがたやすく善悪の境界を越える不気味な存在として描かれていて、そこが面白いところでした。
一方今作のマットとアレハンドロは目的のために人道に反した汚い手は使いますが、いかにも主人公のように描かれていています。
法的にも倫理的にも間違いなく悪の彼らをなぜか途中から応援したくなってきます。
簡単に善悪を無視する対カルテル側を見る第三者の視点が無いのでマットやアレハンドロに感情移入させるしかなかったのでしょうか。
また、死ぬほど怖いアレハンドロが前作の最大の魅力でしたが、今作では殺し屋だけど実は優しいおじさんみたいになってて残念。
あんなレオンみたいなアレハンドロは見たくなかった…
あと前作の功労者だった主要なスタッフが変わっています。
監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ、撮影のロジャー・ディーキンス、音楽の故ヨハン・ヨハンソン、みんな別の人に変わりました。
その割には前作の雰囲気を引き継いでたのでそこは良かったんですけど、どうしても前作には少し劣るかなーという感じです。
ドンパチシーンも増えたので社会派っぽかった前作と比べてアクション映画寄りになった気がします。
ただのクライムアクションじゃないところが魅力だったんだと思うんですけどね。
1作目に大衆受けしそうな要素を詰め込んだけど観客が求めているのはそういうのじゃ無かったんじゃないかな〜と思いました。
なんか違う感があるとはいえデル・トロは怖かっこいいし映像も音楽も良いので悪い映画ではないと思います。
でもやっぱり1作目だよな〜